17 消えなかった真実

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「ないな。犯人も真実も、消える事などないのだからな。もし消えたとしたら、それはただ見抜けぬだけなのだ」 「ふーん……スフィーは常に見抜く自信があるんだ」 「最低限必要な情報さえそろっておればな」  ……本当にスフィーにはひとかけらの不安もなかったのだろうか?  ――正直、私は単なる強がりだと思うけど……まあ本当ということにしておこう。 「――まあ、とにかくやっと終わったんだよね」  私はそう言って両手を上に突き上げ、思い切り伸びをする。  ――日曜日の、のどかな昼下がり。  ふと見上げると、そこには今までの陰鬱さを払拭するような晴天が広がっていた。  ……これで平和な日々が戻ってきたのだ。  私はやっとそう実感する。 「さあ帰るぞ、ひねり」  立ち止まって空を見ていた私に、スフィーがそう声をかけた。 「うん、帰ろ」  微笑んで答え、また歩き出す。  私はスフィーと一緒に、ゆっくりと家路を歩いていった――。
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