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「なら俺が協力すれば叶いますか?」
「あなたにしか叶えられません。」
「俺にしかできないことか。ならば遠慮なく言って欲しい。」
「では率直に言わせてもらいます。これからもずっと私のそばにいてください。一年間ではなくこれからもずっと。」
この時、俺はこの言葉に嬉しくてたまらなかった。本当に嬉しかったんだ。こんな身近な人が純粋に自分と一緒にいたいと言ってくれたことに・・・でもこの時の俺は知らなかった。彼女が心の底では涙を懸命にこらえていたことに。
バイトを始めてから6ヶ月後、雪音と付き合って4ヶ月が経った頃に俺は最近の雪音の体調が悪そうに見え始めた。1ヶ月前から少しずつだが雪音とのデートの回数が減ってきたのだ。それと比例して徐々にあの優しく包み込むような笑顔をあまり見なくなってきたのだ。
僕が
(病院行くか?)
と聞いても首を横に振るだけで決して行こうとはしなかった。雪音は自分の部屋にいる時間もこの時期から段々増えていき俺も空白の時間ができるようになっていった。時々隣部屋にいる雪音に呼ばれて部屋に行く以外はリビングでテレビを見たり自分の寝室で寝ることが多くなった。
でも悪いことばかりではなかった。頻度はそれほどでもないが、雪音は時々俺の寝室に来ては一緒に寝るようになった。はじめは照れ臭くてお互い背を向けながら寝てたが今では普通に寝るほどお互いを受け入れるようになった。
今日も雪音は朝と昼のご飯以外は寝室から出ようとしない。またいつものような日々を送るかのように思えたが、
《バタン》
玄関のドアが閉まる音がした。一緒に住むようになってからすぐわかったことだが雪音は1ヶ月に1度、こうして俺に何も言わずに出かける事がある。そのことに関して聞いても何も答えてくれない。それでも僕はあまり気にしなかった・・・そうこの時までは。
こっそりと僕は雪音を付けることにした。あまり外に出たがらなくなった雪音が一人でわざわざ外に出るような用事が気になったからという単純な理由で僕は後悔することになった。
意外にも彼女は電車を3回も乗り換えて、彼女の目的地は奈良県では有名な総合病院だった。
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