れっつ、サヴァイヴ♪

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森の中。 スウェーデン人の血をひく金髪碧眼の彼は、いつも以上に警戒していた。 最強サバゲーマーであるあの緑が脅威だと判断した。 それはつまり、自分など少し気を緩めればすぐに殺られてしまうということ。 だからこそ、このゲームに全身全霊で以て挑まなければ瞬殺されてしまう。 感覚を研ぎ澄ませ。 少しの動きも見逃すな。 ガサッ 松「!!!!」バッ 物音のした方へ、彼の愛銃であるデザートイーグル(つぶあん)を向ける。 しかし、 蛍「あれ、松岡さんではないですか。立花、警戒して損しました…。」 現れたのは仲間である蛍。 松岡は無意識の内に気を抜いた。 その一瞬すら、命取りだった。 バッ 松「な…!?蛍!!」 蛍「…っ!!!!!」 稜「ハハッ…」 パラララララ… 二人の真横から唐突に現れた稜は、TMPを乱射した。 松岡は素早く木の後ろへ、蛍は跳躍して避ける…が、 スパァンッ!! 蛍「い゛っ!?」 松「蛍!?」 稜「ナイス馨~♪」 跳躍した蛍の背中に、強烈な1発が撃ち込まれた。 それは馨のヘカートの弾。 松(おいおい、嘘だろ…。) しつこく自分を狙う稜との攻防を繰り返しながら、松岡はその威力に口元をひきつらせた。 稜「馨がまず立花さん潰した理由、わかりますよねっ!?」 パラララ… 松「TGCで蛍の恐さを思い知ったから、だろっ!?」 パァンッ パァンッ そう、TGCで松岡の敵である稜を狩ったのはスイッチの入った蛍だった。 そのスイッチを知ったからこそ、蛍を最初に殺ったのだ。 しかし、松岡もそれで動揺する程甘くはない。 お互いに補充をするため止まったところで、松岡は稜に声を掛けた。 松「なぁ稜、そろそろ決着つけようぜ。」 稜「奇遇ッスね。俺もそろそろワルサー抜こうと思ってたんス。」 松「んじゃ、3・2・1だな。行くぜ?」 「3」 「2」 「1」 ザッ!! パァンッ!!パァンッ!! 駆け出すと同時に鳴り響く銃声。 TMPを置き、ワルサーのみの稜と、デザートイーグル2挺の松岡。 松岡の方が有利だ。 しかし稜は当たらない。 再びお互いの弾が切れそうになったとき、決着はついた。 パァンッ 稜「っと…」 松「これで終わり(稜「なのはどっちッスかねぇ!!」っ!?」 パァンッ パァンッ ビスッ 松岡の弾を跳躍で避けた稜は、素早く身体を捻り、松岡と同時に撃つ。 結果、お互いにヒットとなった。 稜「ヒット。」 松「ヒットだな。」 両者は互いの健闘を讃え、握手を交わす。 馨「…ばーか。」 遠くで眺めていた馨は、小さく呟いた。
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