れっつ、サヴァイヴ♪

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茂みの中で、雪村は息を潜め、ある人物に照準を合わせていた。 射程圏内を楽しそうに歩く少年、時雨。 松岡と同じ、デザートイーグルを持った時雨は、どうやら雪村に気付いていないらしい。 雪(なら、今がチャンスだよね。) 雪村は再度照準を合わせ、引き金を引いた。 しかし、 パァンッ バスッ 時「雪村さん見っけー。」 雪「!?」 時「あは。俺、馨の為にシュヴィ守んないといけないんですよねー。」 時雨はまるで瞬間移動でもしたかのように雪村の頭上の木の枝にいた。 その彼の手には黒く輝くデザートイーグルが構えられている。 雪村は死を覚悟した。 しかし、時雨は撃ってこない。 雪「君、ふざけてるの?」 時「いやぁ、これ馨の作戦なんですよね。どうせアイツが見たいなら、見せつけてやるってwww」 怒気を纏った雪村の言葉に、時雨は眉を下げながら笑った。 それと同時に、時雨の横に馨が降り立った。 太めの枝がしなる。 馨「稜と松岡さん、蛍は脱落です。と、いうわけで雪村さん、さようなら。」 雪「っ!!!!」 パァンッ パァンッ 雪村は馨の弾を間一髪で避ける。 しかし、 パァンッ 雪「……まさか、2挺?」 馨「はい。僕は本来デザートイーグル2挺持ちですから。」 銀と黒の2挺持ち。 松岡と全く同じだった。 時「で、雪村さん。」 雪「同時攻撃でも脅威だけどね。…ヒット。」 馨「ありがとうございました。」 馨と時雨は地面に伏せたままの雪村に手を差し出し、フワリと微笑んだ。 その笑顔はそっくり。 雪「……双子だね。」 馨「双子ですから。」 時「ですです。」 雪村は二人の手を取って立ち上がった。 そして三人で森を出ると、蛍達が駆け寄ってきた。 蛍「雪村さん!!」 松「ゆっきー、怪我とかないか!?」 雪「……まっつん、立花君。うん、俺は何ともないよ。ただ、負けちゃった。ごめんね。」 出てくるなり膝を折った雪村に二人が駆け寄る。 どうやら、疲れたようだ。 稜「松岡さんと相討ちったー。」 馨「だから馬鹿なんだよ。決闘とか。」 時「隊長(馬鹿)変なとこで変にこだわるよねぇw」 稜「お前ら馬鹿馬鹿言うなし!!立花君に狩られなかったの快挙だぞ!!つまりあれだ!!馬鹿も極めりゃ天才!!」 双子「「天災の間違いだろ?」」 最初に脱落した稜を弄り倒す双子。 馨も時雨も見たことのない笑顔で笑っている。 蛍はあぁ、まだ立花は友達ではないのか、と俯いた。
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