5人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
馨「せっかく僕が後に回ったのに、シグから問題発言してどうすんだ。」
時「だ、だって虫除けは大事だよ。俺、馨に虫が付くとか許さないよ!?」
馨「あー、はいはいわかったわかった。僕も自己紹介するから離れろ。」
時「…………はい。」
腕にすがり付く時雨を剥がすと、馨は静まり返った生徒達に頭を下げた。
馨「弟のシグが申し訳無い。僕は倖乃木馨。倖乃木でも、馨でも、好きに呼んでください。ただし、これだけは言っておきます。」
表情一つ変えない馨はしかし、一呼吸置くと少し真剣な表情になった。
馨「僕は女です。」
沈黙。
「「「はぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」
蛍「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
絶叫。
中でも一番叫んだのは蛍だった。
まぁ、しょうがないだろう。
似てるってこういう事か…!!、と蛍は心の中で叫んだ。
教師「倖乃木、ありがとな。んじゃあ、聞きたいこともあると思うが、仲良くしろよー。HR終わりー。」
ガラッ ピシャン
「n(時「あ、立花さん。ちょっと来てくれる?」馨「…拒否権は無いですが。」蛍「へっ!?ぅわぁぁぁぁあ!?」」
教師が出ていって、誰ともわからない生徒が双子に話し掛けようとした瞬間、双子は蛍の腕を両方から掴んで出ていった。
素早すぎる強制連行である。
時「……で、立花さん。いや、もう蛍でいい?」
蛍「あ、はい。立花は構いません。」
馨「…なら蛍。色々と、話があります。」
今彼等が何処にいるか?
屋上である。
馨「まず僕らの暮らす場所。月城荘です。」
時「そこにトイ☆ガンガン全員いるでしょ?あ、俺達200号室ね。」
蛍「そうなのですか!!よろしくお願いします。はい。確かに立花と松岡さんと雪村さん、全員揃ってます。」
何故そこまで知っているのだろう、という疑問を蛍は抱いたわけだが、有無を言わせぬ双子の眼に気圧されたのであった。
時「ありがとう。で、これが本題。」
馨「…あの下衆野郎…緑のホシシロは星白病院の小児科医、ナース、研修医の3人ですね?」
蛍「げ、下衆やろっ…!?…あぁ、いえ、何でもナイデス。はい。合ってますよ。小児科に行けばだいたい緑さんはいます。」
時「へぇ……馨。」
馨「挨拶に行こうか。…では蛍。ありがとうございました。」
蛍「い、いえ、お役に立てたようでなによりデス…。」
双子は表情は微笑んでいるのだろうが、如何せん眼が笑っていない。
この二人も緑さん絡みか…。
と蛍は溜め息を吐く。
かくして、天才双子とイケメン生徒会長の波乱の生活は始まったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!