プロローグ

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馨「せっかく僕が後に回ったのに、シグから問題発言してどうすんだ。」 時「だ、だって虫除けは大事だよ。俺、馨に虫が付くとか許さないよ!?」 馨「あー、はいはいわかったわかった。僕も自己紹介するから離れろ。」 時「…………はい。」 腕にすがり付く時雨を剥がすと、馨は静まり返った生徒達に頭を下げた。 馨「弟のシグが申し訳無い。僕は倖乃木馨。倖乃木でも、馨でも、好きに呼んでください。ただし、これだけは言っておきます。」 表情一つ変えない馨はしかし、一呼吸置くと少し真剣な表情になった。 馨「僕は女です。」 沈黙。 「「「はぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」 蛍「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」 絶叫。 中でも一番叫んだのは蛍だった。 まぁ、しょうがないだろう。 似てるってこういう事か…!!、と蛍は心の中で叫んだ。 教師「倖乃木、ありがとな。んじゃあ、聞きたいこともあると思うが、仲良くしろよー。HR終わりー。」 ガラッ ピシャン 「n(時「あ、立花さん。ちょっと来てくれる?」馨「…拒否権は無いですが。」蛍「へっ!?ぅわぁぁぁぁあ!?」」 教師が出ていって、誰ともわからない生徒が双子に話し掛けようとした瞬間、双子は蛍の腕を両方から掴んで出ていった。 素早すぎる強制連行である。 時「……で、立花さん。いや、もう蛍でいい?」 蛍「あ、はい。立花は構いません。」 馨「…なら蛍。色々と、話があります。」 今彼等が何処にいるか? 屋上である。 馨「まず僕らの暮らす場所。月城荘です。」 時「そこにトイ☆ガンガン全員いるでしょ?あ、俺達200号室ね。」 蛍「そうなのですか!!よろしくお願いします。はい。確かに立花と松岡さんと雪村さん、全員揃ってます。」 何故そこまで知っているのだろう、という疑問を蛍は抱いたわけだが、有無を言わせぬ双子の眼に気圧されたのであった。 時「ありがとう。で、これが本題。」 馨「…あの下衆野郎…緑のホシシロは星白病院の小児科医、ナース、研修医の3人ですね?」 蛍「げ、下衆やろっ…!?…あぁ、いえ、何でもナイデス。はい。合ってますよ。小児科に行けばだいたい緑さんはいます。」 時「へぇ……馨。」 馨「挨拶に行こうか。…では蛍。ありがとうございました。」 蛍「い、いえ、お役に立てたようでなによりデス…。」 双子は表情は微笑んでいるのだろうが、如何せん眼が笑っていない。 この二人も緑さん絡みか…。 と蛍は溜め息を吐く。 かくして、天才双子とイケメン生徒会長の波乱の生活は始まったのだった。
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