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ラジオ代わりにつけていたテレビの向こうから、けたたましい音が聞こえてくる。
私は、うんざりしながらリモコンを探した。案の定、私の部屋からテレビのリモコンを見つけるのは難しいことで、そのまま浮き世の喧騒を切り取った画面をテレビは映し続けたのだった。
絵の具やら筆やら、紙やら分厚い本やら、画材道具や文房具、書籍で埋め尽くされた私の部屋を見渡した。
そしてふと、今まであえて視線をそらしていた画面へと顔を持ってゆく。テレビのアナウンスが脅迫観念にも似た感情をあらわにしながら、声高々に語る。
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