◇13◇ 愛の居場所

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    意志の強い母親の表情に安堵した。 「じゃあ、またね。」 「はい。」  先に屋上を後にする女性の背中を見つめる。  何度も願った。彼女の娘になりたいと・・・・・・。  今は、遠くから見るだけの人になってしまった。 「あそこまでは、遠いなぁ・・・・・・。」  折角逢えたのに嘘をつくしかない。例え、本当のことを話したとしても本当の母親でも何でもない。  元婚約者の母親で妹の義母。  戸籍を独りにした自分には全く関係ない人。今更願っても仕方ない。  元気をなくし病室に戻った。  》 》  飢えた心は、蝕まれて荒んでいく。  見えた希望も私を手放した。  寒くもない、寂しくもない。  それは、嘘だ。鈍感になってもいない。  まら、〝どうしたのか”って?  気づかず、振り向かないだけ。忘れたふりは心を自分を守る盾。  嘘と言う盾で守らないと。  私の真実に私が触れないのだから誰も触れてくれない。  《 《 「これが今回のCTの結果。前回のモノと比べます。」  診断を受けた時の画像と比べる。 「明らかに腫瘍が大きくなってます。」   
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