◇13◇ 愛の居場所

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    一気に心因性の目眩に襲われる。 「若狭さん!!」  床に座り込んだので看護師が慌ててやって来る。 「大丈夫、です。」  気持ちが心を蝕む。 「お部屋に戻りましょう。」  車いすに軽々と乗せられて病室に向かう。  》 》  頑張ったって無理なのだ。  だから受け入れなくてはならない。  頭では解っているのに・・・・・・。  心が返事をしない。  ジタバタする場合じゃない。  解っている。  今更求めても無理なのは・・・解っている。それでも求めてしまう。  〝愛〟が・・・・・・〝愛が、欲しい〟  無い物ねだりな人生がもうすぐ終わる。  私の愛は・・・・・・  《 《  面会時間が終わる少し前に産婦人科病棟を訪れた。 「あの・・・鈴村 瑠々の姉です。」 「ああ、お姉さん。逢いにいらしたんですね。」 「はい・・・。抱いてもいいですか?」 「もちろんです。」 「ありがとう。」  新生児室に入るとミルクの匂いがした。 「どうぞ。」  小さい子がやって来た。 「まだ、名前が決まってないんです。」 「そう、ですか。」    
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