第1章

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離れたくないと思いながらもレストハウスに着いてしまい名残惜しみながら和花ちゃんから離れた。 「和花ちゃん、大丈夫だった?」 和花ちゃん怖くなかったかな? 「うん。亮くんが側に居てくれたから……。ありがとう。でも両親世代って考える事が凄いね、ゲレンデで抱き締めて滑っていたなんて……。」 「っ!!」 抱き締めてって、確かにそうだけど…… 口に出されると恥ずかしすぎる。 カーッと熱が上がってくる。 テルにまで指摘され、和花ちゃんに返したテルの言葉。 「俺だけじゃなく、皆んな見ていたけど? こっちの方大分雪少なくなってたから結構上から見えてたけど、完全に二人の世界だったよね?」 マジか~。 下手に何か言うと墓穴を掘りそうで何も言わないでおく。 竹中さんが和花ちゃんに話し、もう帰りそうだ。 俺がゴーグルを外していると和花ちゃんがこっちを見ていた。 「和花ちゃん……。」 思わず名前を呼んでしまったけど、和花ちゃんが反応して目を僅かに細めた。 「あっ、いや、えっと、また連絡するね。」 「うん!私も…。」 ニコッと笑いかけるとまた横を向いていた。 「お前ら周り皆んないるんだけど、そんな初々しく話してるとこっちまで恥ずいわ。」 またテルか、幸せな気分が丸潰れだ。 「煩い、テル。」 テルに文句を言い和花ちゃんに手を挙げた。 「じゃ!」 「うん、本当に色々ありがとう~。」 帰り道の車の中。 初めて抱いた気持ちが胸の中をホッコリ温めていた。 今、別れたばかりなのにもう会いたい。 これが恋か…。 噛み締めながら目を閉じた。
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