第1章

11/31
前へ
/31ページ
次へ
テルが“いーい?”と聞いた時俺の前に座っている彼女は眉間に皺を寄せ目にグッと力を入れた。 隣の竹中さんがビックリして和花ちゃんに声をかけたのに、 はぁ?と首を傾げるって!!! 自由過ぎるー。 笑いを堪えきれなかった。 和花ちゃんには俺の吹き出した声が聞こえたみたいでこっちを見てるよね? ダメだ。目はあわせたら駄目だ。 笑いが止まらなくなる。 暫くすると、俺を笑わせた張本人も笑ってるし。 こんな飾らない人いーな。 「亮が笑うなんて珍しいな。」 健太の言葉に冷静さが戻る。 しまった、コイツらもいたんだった。 「ね、いーい?」 テルはしつこく何やらおねだり? っぽく聞いているけど一体何の事だよ。 俺もそう思っていたんだけど前方から 「何が?」 全く感情もなく投げやりな声が…。 ぶっ!!! 嫌さ剥き出し。何やら分からないけどテルと噛み合って無いのだけは分かる。 テル、おねだりは諦めろよ。 と思っていると、 「だから、ニックネームで読んで良い?」 コイツいきなり何言ってんだ? 和花ちゃんのポカンとした顔。 「はぁ?」 思いっきり嫌そうな声出してるし…。 テルは気がついてないのか全く気にせず、 「風風かぜ、かざぐるま、グルグル…。」 「決まった。くるんちゃんにしよう。」 何だそれ? ぶっ、あはははは。 もーダメ。全開で笑ってしまった。 和花ちゃんは明らかに頭がついていってないな。 ポカンとしたまま反論もしない。 流石に可哀想だなと思い却下しようとした時、 「良いね~、今からくるんちゃんと竹ちゃんね。」 え″ーーー!!!? マジかクマさんまでノッてるじゃないか。 正気に戻った和花ちゃんが焦って却下しようとしてるけど、 「え~。もっと他にありませんかぁ?私普通に苗字で構わないですよ。どうしてもって言うなら大西さんもニックネームで呼びますよ。」 テルは喜んでるぜ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加