第1章

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「竹中ちゃん、今日はどうする?一緒に行動する?」 潮田さんの声が聞こえた。 「和花ちゃんどーする?」 潮田さんの会社の人らしき竹中ちゃんと言う人が友達に聞いている。 「昨日、潮田さんあまり滑れなかったと思うから、今日は二人で行動しようよ~。竹ちゃん。」 !!! 同じ声だ。 やっぱり同じ人だったんだ。 化粧であんなに顔が変わる事に衝撃をうけた。 と同時に目を瞑ると昨日の微笑みが鮮明に浮かんできて心がホンワカしてくる。 「日高、お前目瞑って何にやけてるんだ?気持ち悪ー。」 俺の前に座ったテルが毒を吐く。 食事を終えゲレンデに出た時、和花ちゃんと呼ばれていた彼女を探したけど見つける事は出来なかった。 あれから一年が経とうとした頃いつものメンバーで飲み会の時、 「日高?今年もスキー行くか?」 スキー、そら、いくぜ。 去年2級に合格して今は1級目指して特訓中だ。 「ああ、当たり前だろ、テルも1級受けるんだろう?」 「はは、まあな、でも今誘ったのは去年みたいな感じで潮田さんから誘われたんだ。しかも今回は但馬牛が食えるぞ。」 潮田さん。 ドキン!!! この11ヶ月何度も心の中で思い出した彼女が浮かんだ。
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