第1章

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また会える? 「メンバーは前と同じ?」 考える事なく聞いていた。 「潮田さんの会社の人は何人か来るんじゃないか?去年来てなかった人も来るかもな。」 「潮田さんの会社の人の友達も誘うかな?」 周りに他の奴がいる事も忘れて、テルの話に食いついていた。 「さあ?そこまでは俺も分かんねえ。」 「……。」 テルのどうでも良いような感じに何も言えなくなる。 テルに苛々しても仕方がないのに、そのぐらい把握しとけよな。と心の中で毒づいてみる。 結局、上の空で飲み会は終わり帰りがけにテルと同じイヤ、中学校からだからテルよりも付き合いの長い健太が 「亮?お前、スキーで気になる子でもいるの?」 もろ核心的な事を聞いてくる。 「気になるってもう1年近く前に行ったメンバーだしな…。ただ、ちょっと落し物を預かったままの子がいてな。来たら渡せるかなと思っただけ…。」 咄嗟に思いついた嘘を並べたけど、健太は 「ふ~ん。名前分かってるの?」 「和花…ちゃ…。」 「ふ~ん。和花ちゃんね。なー、テル?亮が和花ちゃんの落し物預かってるんだって。その、和花ちゃんが今回来るか聞いてみてよ。」 俺と話していたのにテルに話振ってるし、 「和花ちゃん?誰だ?それ?」 今度はまた俺に話が戻ってきた。 「潮田さんの会社の竹中さんの友達…。」 「ふ~ん、苗字は?」 「分からない。」 「分かった。潮田さんに聞いてみるよ。」 すんなりとテルがそう言ってくれて…。
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