第1章

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1月某日、テルから誘われたスキー旅行当日。テルの車に5人乗り込んでスキー場に着いた。 車の中で着替え少し早いなと思ったけど早く滑りたくて車から降りた。 更衣室の方から黄色いウエアーと白いウエアーの女子が歩いてくる。 あんなウエアーだと雪と同化するなと思ってると背後からテルの声。 「竹中さん、風早さんお久しぶりで~す。」 思わず立ち止まる。ウエアーしか見てなかったけど顔をよく見ると和花ちゃんだ。 ドクンドクン…。 彼女を認識した途端胸がせわしなく音をたて始めた。 テルに話しかけられ和花ちゃんは首を傾げている。これは覚えてないな。思わずクスッと笑いが溢れる。 隣の多分竹中さんがテルを思い出したようで愛想よく返事している横で和花ちゃんは目を白黒させていた。 去年潮田さんに彼氏がいると答えていたから周りの男なんて顔すら見てないんだろう。 「宜しく~!と言っても去年来ていたの、俺と日高だけなんだけどね。後の3人は今回初だよ。」 テルが俺の名前を出した時チラッとこちらを見たけどすぐに隣の健太、レンに視線が移動した。 これは俺の事も全く知らないんだろうな。 「宜しくね~。」「宜しくです。」「宜しく。」 クマさん、健太、レンは愛想よく挨拶している。俺もと思ったけど完全に出遅れ仕方なく頭を下げた。 と、目が合う。 !!! 咄嗟に横を向いた。 心臓に悪すぎるだろ。
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