第3章 特別報酬仕事

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「それ、自慢か?」 「そうじゃないよ。それより僕は真っ赤なスカーフに興味あ る。あれは何の武器なんだよ」 「お前知らないのか? あれはロマンだ」 「ロマン? ああ……。聞くだけ無駄だった」 すると月島さんがそれを振って、「ルビーさーん。デートしな いか!」と、叫んだ。ルチルさんが振り向くと少し離れた所に 私だけ歩いてたけれど、「デート、しませーん」って、腕を上 げて返事した。二人が空を仰げばパンジーが飛んでた。 「クククククッ。月島、残念だったな」 「何笑ってんだよ」 「ああ、そのロマン。あっさり断られるなんてさ」 そう言いつつルチルさんは更に笑ったけれど、 「くそっ! でっかくなりやがって益々鬱陶しいロボットだ」 と、月島さんは空を見てぼやいた。それでも、「ルビーさん。 車で送るから乗ってかないか?」と、親切に誘った。しかし ながら、パンジーがスッと地面へ降りたから、 「はい。分かりましたよ。一人で帰ればいいんでしょ」 渋々返事したと同時に、私はパンジーに乗って空へ飛んだ。 「ルビーさん。行っちゃたな。月島、それじゃ僕を乗せて もらえないかな」 ルチルさんは冗談言ったつもりが、「何でお前とデートすん だよ。やっぱり俺に気があるんじゃないか?」 月島さんはだだっ広い草原を歩き始めたけれど、後ろにルチ ルさんが付いた。 「いや、全然ないから」 「いや、あるだろう」 「ないから……」 縦に並ぶ男の姿は、空から見たら小さな碁石のようだった。 「しょうがない。お前の銃の腕に免じて、特別に高級車へ乗 せてやる」 「いいよ、歩くから」 「何だと? 乗ってけ、いや乗れ。これは部長命令だ」 と、言うことでルチルさんは否応なしでもなかったが、彼の 車へ乗ることになった。 「月島。案外いい奴だな」と、お世辞を言えば、「今頃 分かったか。俺は根っから言い奴だ。さっさとガキは助手席 へ乗れ!」と、不愛想に言った。「分かったよ」と、ルチル さんは笑った。 「頑張れルビー! パンジーは素敵なロボットよ」
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