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「純也様!!?」
「お止めください純也様!!」
「貴方はいったい何をっ!!」
使用人達が必死に俺を止める声が後ろから聞こえる。
その理由は俺が空の上を飛ぶヘリから身を乗り出した状態でいるから。
「うっさい、黙れ」
しかし俺は一言そう返して、近くに置いていたメガホンを手に持ち、それの電源を入れる。
そして大きく息を吸い込み、数メートル下にある建物へ向け思い切り叫んだ。
「西内ーーっ!!」
そこは西内が入院している小崎家の病院。
患者や医者達が俺の声に何事かと建物の中から窓を開けて空を見上げた。
それにより、俺は一瞬にして注目を浴びることに。
『突然この様なことになり、本当に申し訳ありません。
純也様もご存知かと思いますが、私の身体はもう助からないかもしれません。
お傍にいられなくなり、本当に申し訳ありません。
貴方をこれから先お護り出来ない分、変わりにこれを貴方へ送らせて頂きます。
貴方のためにと、ずっと貯めていたものですので、貴方のお好きなようにお使いください』
「っ……西内っ!!」
けれどあの手紙を読んだ今、そんな小さなこと俺にはどうでもよかった。
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