ブルーローズ

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「医院長、ここにおられたのですね。何をされていたのですか??」 「ああ、ちょっと昔のことを思い出していた。」 病院の庭に作られたブルーローズの花畑。 ここにいるとあの日のことを思い出す。 ヘリに乗って上空から一億円分のブルーローズ10万本を撒き散らすなんて、あの頃の俺は引きこもりだったとは思えないくらい派手なことをしたものだ。 いや、でもあれによって俺の人生は大きく変わったと言っても良い。 『それから、学校へ行ってください。 貴方は頭の良い方、それは勉強面だけでなく、他のところも。 ですから貴方はすぐに周りに人が集まることでしょう。 私はそんな貴方の姿を見たいと思っていました』 あの日を境に俺は学校へ行くようになった。 それから迷惑をたくさんかけた使用人達全員に謝罪をし、ちゃんと打ち解けることが出来た。 嫌いな両親にも、せめて同じ小崎家の人間だと認めてもらえるように努力した。 『貴方はとても賢い。 ですから、望めば、努力すれば、貴方は欲しいものを手に入れることが出来ます』 そして手に入れたのは、あの日ブルーローズを上空から撒いた小崎病院の医院長という立場。
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