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ブルーローズはもともとこの世に存在していなかった。
人々は自然界に無いのならば作れば良いと、大昔からブルーローズの研究を続けてきた。
研究を何度重ねても誕生しないものだったが、それでも幾人もの研究者達が生涯を注いでまでもブルーローズ誕生を夢見た。
そしてついに2004年、ブルーローズは誕生した。
それから5年後の2009年にブルーローズは世界で発売が開始された。
そんな多くの人の想いが詰まったブルーローズ。
純也が両親からのプレゼントとして受け取ったのは、2009年。
つまり発売されてすぐのものだった。
その話を使用人から聞いた純也はとても喜んだ。
発売されたばかりのブルーローズは一輪の値段が高く、数も少ない。
そんな貴重なブルーローズを自分のために用意してくれたことに、両親からの多大な愛情を感じたからだ。
「僕、お礼を言いに行ってくる!」
純也はあまりの嬉しさに、ブルーローズが入った箱を抱えたまま両親のもとへ向かった。
それが純也にとって最低な人生への一歩へとなることなど知らずに……。
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