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「アイツにはブルーローズの花言葉がよく似合う。ブルーローズの花言葉を知っているか??」
「いえ、存じ上げません」
もちろん純也も知らなかった。
けれどきっと、両親が願いを込めた、そんな温かな花言葉なのだろう。
そう、思っていたんだ……。
「ブルーローズの花言葉は……」
けれど現実は残酷だった。
「“不可能、有り得ない”だ」
その言葉を純也は理解出来なかった。
どういう意味なのか、全くわからなかった。
だけどそれで良かったんだ。
何も知らずにいたほうが……。
けれど純也は知ってしまった。
知らなくて良いことを……。
「アイツは三男の自分が兄達のように愛されていると勘違いし、自分も兄達のように小崎家を支えていくのだと思っている。自分が小崎家に必要のない存在だと理解せずに。だから教えてやったんだ、ブルーローズでな」
聞こえる言葉は誰のもの??……。
聞こえる笑い声は誰のもの??……。
その話の対象はいったい誰??……。
あまりの衝撃に、純也はただ、その場で立ち尽くすだけだった。
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