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そして現在、あと数ヶ月で15歳を迎えようとしている純也こそ、この俺だ。
「純也様!!また貴方という人は!!」
突然聞こえた家中に響き渡るほどの怒鳴り声。
人がせっかく昔の回想をしているというのに、水を差すのはどこのどいつだ。
まあ、誰なのかなんてわかっちゃいるんだけど。
「またかよ西内」
「またかよではありません!!貴方は何度言えば気が済むんですか!!」
「はいはい」
「はいは一回です!!」
「はーい」
怒鳴り声を上げて俺の目の前までやってきたのは西内。
実は出会ったあの日、すぐに専属執事など辞退するだろうと思っていた西内は、俺の予想を裏切り、今もこうして俺の専属執事を続けている。
しかもコイツときたら、他の使用人達みたいに大人しくなく、この俺に向けて口うるさく説教をしてくる。
「あーもうわかった!!」
「純也様!!まだ話は終わっていません!!」
「うっせ!!」
「こらっ!!純也様!!」
毎日毎日鬱陶しいやつ。
そう思うけれど、正直、こうして西内と繰り返す攻防戦を楽しんでいる自分がいる。
西内と出会ってもうすぐ5年。
俺はいつしか西内を家族のように思っていた。
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