第1章

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今朝、1人の尊い命が生まれた。 「もう少しですよー」 「うヴぅ…ヴ、ふー、ぅっ!」 大きな産声が上がる。 「生まれましたよ!」 「よかった…」 「よくやった!香澄!」 夫婦は互いに喜び合う。助産師は赤子の体を拭き、性別を確認する。よくわからないものの、エコーでも女の子と出たのできっと女の子だろうと判断した。 「元気な女の子ですよ」 「美香…」 「かわいいな…」 美香は母の手に触れられて落ち着いていく。 「では、こちらで預かりますね」 「お願いします」 助産師は赤子を持ち奥の部屋へと消えた。残りは機械の仕事でありもう助産師が戻ってくることはない。 『手術を開始します』 その音とともに静かに響く機械音の中香澄は緩やかで暖かい喜びを感じていた。 子供はインターネットチャイルドだった。
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