再恋~silent love~

4/13
前へ
/17ページ
次へ
だけど、珍しいなって思ったんだ。 明日香は、どっちかっていうと、派手顔の友達が多くて。 みんながそれぞれ輝いているような、誰を見ても目立つような友達ばっかり連れているから。 「友里、コイツはあたしの幼馴染の…」 「高木くんでしょ?知ってるよ」 そう言って、被せてくる彼女。 こんな知り合い、いたか…? 「同じクラスだったから、昔」 「そうなんだー、私、光とは同じクラスになったことないから、知らなかったよ」 無邪気に答える明日香を後目に、俺の心は凍りついていた。 同じクラスで、ユリといえば、アイツしかいない。 「広瀬、友里…」 掠れながらに発したその声が、きちんと名前を発音していたかどうかは分からない。 ただ、俺の中には、深い衝撃だけが残されていた。 俺、高木光と。 アイツ、広瀬友里には。 中学最後の年に、お互いに両想いになったのに。 いろいろな出来事が絡まり合って、付き合うには至らなかった事情があったから。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加