4人が本棚に入れています
本棚に追加
だけど、珍しいなって思ったんだ。
明日香は、どっちかっていうと、派手顔の友達が多くて。
みんながそれぞれ輝いているような、誰を見ても目立つような友達ばっかり連れているから。
「友里、コイツはあたしの幼馴染の…」
「高木くんでしょ?知ってるよ」
そう言って、被せてくる彼女。
こんな知り合い、いたか…?
「同じクラスだったから、昔」
「そうなんだー、私、光とは同じクラスになったことないから、知らなかったよ」
無邪気に答える明日香を後目に、俺の心は凍りついていた。
同じクラスで、ユリといえば、アイツしかいない。
「広瀬、友里…」
掠れながらに発したその声が、きちんと名前を発音していたかどうかは分からない。
ただ、俺の中には、深い衝撃だけが残されていた。
俺、高木光と。
アイツ、広瀬友里には。
中学最後の年に、お互いに両想いになったのに。
いろいろな出来事が絡まり合って、付き合うには至らなかった事情があったから。
最初のコメントを投稿しよう!