いつか終わりを迎えるレクイエム

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 いつのまにこんなにセクシーに柔らかく笑うようになったんだろう。かわいいと思っていたはずの相手が、すごくかっこよく見える。鼓動が早まるのを知られたくなくて、私を射すくめるまっすぐな視線から目を反らす。 「なに、そらしてんの」 「え、いや……」  狼狽えている私をからかうように、一哉くんがくすくす楽しげに笑いながら、不意打ちで私の耳を甘噛みする。 「ひゃ」  驚いて変な声が思わず出た私に、一哉くんが楽しそうに見下ろして、また耳元に深い吐息と共に囁く。 「涼、かーわい」 「か、かわい……っ?」  明らかに遊んでいる風な一哉くんに、ムッとしてのしかかっている胸をググっと押し返す。 「もーなんなの、年上からかわないで!」 「年はかんけーないっしょ」 「せっかくドキドキして、かっこいいって思ったばっかなのに! 取り消す!」 「ドキドキ?」  墓穴をほったことに気づいて、かあっと赤くなる。これじゃ、ウブな女の子だ。自分で自分の首を占めるような恥ずかしさにとらわれて、顔を背ける。 「もっとドキドキしよっか?」  悪戯っ子な笑みを口の端に浮かべて、一哉くんがするりと私のトップスの下に指を絶妙な撫で方でさしいれる。 「や、なに、してんの……! 撮影、始まるよ……!」 「まだ呼ばれてねーじゃん?」 「そういう問題じゃないっ……!」
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