いつか終わりを迎えるレクイエム

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「しかし高梨が芸能関係のマネージャーねえ。人生わからんもんだな」 「いいから、ほら皆待ってるよ、副編集長さん」  懐かしさと気安さで、なんとなく嬉しくなりながら齋藤くんの背中をおす。 「高梨にそう言われると、変な気分だな。じや、また連絡するわ。今日はよろしく」 「うん、よろしくお願いします。トーイ、かっこよく見せてね!」 「ああ」  片手をあげて齋藤くんが部下たちが画面を睨んでる方に向かおうとした時、背後から急に呼ばれる。 「涼」  怪訝な顔で私と齋藤くんを見る一哉くんが、衣装チェンジした状態で立っている。  ペールブルーに髪の毛を染め、ブラックの細身のナロータイをゆるく結んだスーツ姿に、一瞬、誰かと思う。 「一哉くん、なんかすごい印象違うね…」  思わず素直に感想を述べると同時に、齋藤くんが仕事の顔してスッと一歩前に出る。 「はじめまして、講栄社の『mode』の副編集長をやっております齋藤ハジメです。今日はよろしくお願いします」  一礼した齋藤くんに一哉くんはぺこっと頭をさげると、私の腕を掴む。 「マネージャー、ちょっと」 「え? あ、うん。じゃ齋藤くん、よろしくね」  ぐいぐい引っ張るようにして歩き出した一哉くんに連れられて、スタジオの外に出る。そのまま非常階段裏の喫煙所に入る。  スモークガラスの貼られた小さな部屋内には誰もいない。 「一哉くん? どうしたの?」 「あいつ知り合いなの?」 「あいつ?」 「副編集長の齋藤とかいうやつ」 「ああ、齋藤くん? 大学のゼミ仲間なの」 「……そ」
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