私の夢は偉大すぎて

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 不幸の始まりは、幸せの始まりでもあった。  両親が事故で亡くなった。戸惑っている私に、父を担当している弁護士が言った。 「ご両親の残された遺産の相続人が、お嬢様、あなたになっております」  それがなんと一億。私は両親の事故で、一億円を手にした。  今まで普通の家庭よりは裕福な生活を送っていたが、一人になった今、私の残されたお金は遺産の一億円だけ。  高校生の私は、一億円がなくなったら働かなくてはいけなくなる。  大学に進学するつもりだったのに。  それでよく考えて、私はまず美容外科に行った。  私は金持ちのお嬢様で、頭が良くて、運動もできて、足りないのは顔だと言われてきた。  両親が生きてるころは、顔がコンプレックスでも、整形したいなんて言えなかった。    両親がいない今、私が整形しても、誰も責める人はいない。  総額二千万で、私は整形美人になった。  これからが私の人生勝ち組の始まりだ。  まずはアメリカに留学した。  それから金持ちの住んでいる場所を調べて、近くをうろつくようになった。
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