流星的出会い

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私、本郷聡己はこの度、ストーカーされました。 事の始まりは何気なく、阿呆のように日の下ですごしていたある日。あの女は私の前に現れてこう言った。 「本郷さんの事が好きです。好きで好きで、溜まらず言いに来ちゃいました」 そう言い吐いていきやがったのだ。校門に待ち伏せして、他生徒など気にもとめずに。 正直、嬉しかったという思いもあった。だがふと、ある疑問が浮かんだ。 あんな子と何時出会った? 何故私の通う学校を知っていた? 何故私の名前を知っていた? 向こうも学校がある筈なのに何故あそこに? 疑問を掘り出せば掘り出す程恐怖感が駆り立てられた。 それ以来嫌に視線を感じるようになり、そして茶菓子やスポーツ飲料が玄関先に置かれるようになって確信した。あの女は危険だ。 どうにかしたかったが大袈裟にもしたくない。嫌だったが私は説得を試みた。しかし、面白いくらい私の意思を汲み取ってくれない。私の『あ』を『れ』と解釈するくらい噛み合わない。 一度、苛立ちの余り怒鳴りつけた事があった。するとその晩、家に居ると知らないIDからメッセージが届いた。短い文で『ごめんなさい、死にます』 思わず外を見てしまい。そこには嬉しそうに手を振るあの女が。迂闊にも心配してしまった私の反応で女は益々舞い上がった。 「良かった。あなたの中に私が居て」 身も凍るようなそんな言葉をほざいて。 無論、ストーカー行為もエスカレートしだした。ちょっと異性のそばに居ただけでヒステリックに問い詰められる。送られてくる写真にはあの女の痴態。あまつさえ帰ってきたら家に上がり込む始末。もう、自分一人の手には負えなかった。 「と、言うわけで。皆さんにご相談したしだいだ」 畳に正座し仰々しくお辞儀をした後、私は同室人の顔を見た。 元会議室の名残で妙にだだっ広い茶室、通称『炉思庵』。そこには私の他に4人、障子にそって並んでいた。 「えっとー……ウチァ今、自慢話を聞かされているのかイン? 風穴空けてよろし?」 右手端にはその中性的な顔を崩し、宙ぶらりんな物言いの椎名優樹。 「そりゃあんたのフィルターじゃあそう聞こえるだろうね。
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