第1章

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もしも一億円が手に入ったら何をする? 昔、そんなことを当時付き合ってる彼女に問われた。 俺はそれに、気のない声で答えた。 俺は分相応にしか生きられないから、そんな大金入ってくる事はない、と。 これが俺の物心ついた頃からの考え。 大金は願い続ける者か恵まれてる者、あるいは救われなければならない者のもとにしか舞い降りない。 大して願いもせず、恵まれてる訳でもない。 そして幸いなことに、救われなければならない状況に陥ったこともない。 こんな平々凡々な俺にそんな大金、降ってくる訳もない。 お金はその人に合った分しか手に入らないというのが、信念である。
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