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「気がついたようだね」
部屋中に響く男の声に、思わず身体がびくっと震えた。
「誰だっ!?なにが目的なんだ!」
「それは、君がよく知ってるんじゃないか?」
なにを…?
そう言おうとしたその時、自分が持ち出したボストンバッグの存在と、自分がここにくる前の出来事を思い出した。
そうか!
僕はあのボストンバッグを交番に届けようとして、誰かに殴られたんだ。
それで、ここにつれてこられたのだろう。
でも、なんのために…?
「…あの、ボストンバッグのことか?」
「わかっているじゃないか。」
やっぱり。
じゃあ、こいつはあのバッグに大金が入っていたことを知っていたというのか…?
「あのバッグ、あなたのだったのか…?
だとしたら、勝手に持ち出したことは謝る!
でも、あの後交番に届けようとしたんだ。
バッグが取り戻せたなら、俺をこんな所に連れてくる必要はなかったはずだ!
なんのために…、なんのためにこんなことを…っ!」
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