第1章

11/16
前へ
/16ページ
次へ
「ぐあッ!?」 悠斗が弾き飛ばされた。 弾き飛ぶ悠斗を見て首をかしげている男が立っていた。 「ёЯвзаиуртфл。#&@*!:_~…|†¶・」 音もなく間合いを詰めていた葉とサフィオ。 左右から、剣と刀の挟撃。 男は、腕を垂らした姿勢のまま空中に飛んで回避。 畳まれていた両足が水平の電光となって閃いた。 左の葉の右肩と、右のサフィオの左腕を蹴り、後方へ吹き飛ばす! サフィオがキッチンの石板張りに背中から激突。 床のカーペットに両手剣を突き立てて、葉が減速。 壁に横向きに着地。 身を翻した葉が低空弾道で飛翔。 刺突を放つが、刃は男の白い両手の平の間で挟まれる。 着地した葉の鬼族特有の剛力が刃を押し込むも、両掌を中心とした男は刀身の上で前転。 開いていた左右の足が、電光の鋏のように閉じられ、葉の頭部を襲う! 後方に頭を引いて葉が躱す。 男の爪先が掠め、葉の頬に鮮血を跳ねさせる。 転がり逃げる葉へと男の中段蹴りが放たれる。 空中でサフィオの造った宝石の刀が受け止め、強制阻止。 サフィオの刀の柄が閃光のように翻るが、寸前に刀を蹴って男は後方回転。 遠くの床に手をついて、逆さに着地した。 逆さの姿になるが頭のビニール袋は落ちなかった。 逆立ちした男の両手が旋回して間合いを詰め、両足が残像を描く速度で旋回。 回転する足が、サフィオに殺到。 男との境にサフィオが咄嗟に造り出した宝石の壁に激突、宝石の盾。砕く音が響く。 刀を振り戻す遠心力で、サフィオが間合いから離れる。 男の足の回転が降下し、床に着地。 直進運動へと変換して追撃する。 両者の間を、悠斗のガンブレードと銃口から放たれる弾丸と爆風が突き抜ける。 弾丸と爆風の上空を超反応で見切っていた男が飛翔してくる。 男が放つ亜音速の左蹴りに悠斗が頭を下げて躱す。 しかし、男が上半身を空で捩った反動で右足が降り下ろされた。 悠斗の右上腕に直撃、バキッと骨が折れる音が聞こえた。 痛みで顔をしかめた悠斗にさらに連動した左足の落雷が放たれ、左肩を蹴り抜き、そのまま悠斗の肩を足場とし、跳躍していった。 激痛に堪えた悠斗が後ろを見ずにガンブレードで銃弾を放つが、手応えなし。 悠斗が振り返ると、男が天井に張り付いている姿。 悠斗が銃弾サフィオが宝石の矢を叩き込むが、男は躱し窓に飛び出て外の闇へと消えていった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加