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不気味な叫び声だけが残った。
三人は窓から外に飛び出し、グランドに集う。
三人が背中合わせの円陣を組み、自分の武器と視界を三方へ向ける。
死角をなくして、周囲を警戒。
「常識外れの体術だな。俺達の攻撃がすべて躱さた。」
葉が呟いた。
傷を回復させていく悠斗も苦々しい思いを吐き出す。
「ビニール袋男ってお化けじゃねーのかよ!普通に物理攻撃だぞありゃ!」
「僕の宝石の防御も完全には破壊されはしませんでしたが、くだけはしました。」
クールなサフィオの声も、苦しげなものになっていた。
「¶・??お??■┤│イ─├━┐」
男の影が踊る。
「来たぞっ!」
声の方向へ、悠斗が銃弾を放ちながら怒鳴る。
銃弾がグランドの表面で炸裂、軽やかに躱す男の足先を火花が一瞬だけ照らす。
「ビニール袋男を近づけるな!接近戦は厄介だぞっ!」
サフィオと悠斗の銃弾と宝石の礫が連続炸裂。
グランドに風穴をつくっていく。
「アヒャヒャヒャヒャヒャイヒャヒャヒャクヒャヒャヨヒャヒトリックャヒャ」
男の嘲弄の中に葉が高速反応。
槍を上空へと突き上げられる。
槍の先の空間に、白黒の影。
垂直落下攻撃をかけようと瞬間移動をしていた男の右肘があった。
「死角がない円陣の上空を狙うのは、安易すぎだろうが!」
槍の穂先から風魔法の鎌鼬が飛び出し、男の右肘から上を斬り飛ばした。
鎌鼬の勢いで吹き飛んだ男がグランドに叩きつけられた。
「どうだこの野郎。」
砂煙で染まったグランドの向こうに立ち上がる男。
自分の右腕を拾う。
「?⊆ウ⊇?∂∇?≫⊃≧デ<<⊃<」
どこから取り出したのかわからない白いハンカチで取れた右腕を巻き、右肘にくっつける。
「ト・リ・ッ・ク」
男の声とともにハンカチを取り除くとそこには切れていた腕が元通りになっていた。
「やつの能力、か?」
「能力を使うならもう、お化けじゃないですね。考えられるのはEクラスですね。」
葉とサフィオの推測の声には、焦燥が滲んでいた。
「お化けじゃねえなら怖くねぇ!」
悠斗が円陣から飛び出て鎌を振り上げ男に襲いかかる。
「待て悠斗!」
「∞∮キ∝∵∴ДИИЛタЖДГЛМヨМГ」
「がふっ!?」
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