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「その昔、といっても新聞部が全盛期だった大昔の話しだ。」
座っている周防 葉(スオウ ヨウ)が話しを始めた。
「とにかく新聞部の部員達が争ってネタを求めた時代だと聞いた。どんなスキャンダルや特ダネ、事故らを必死で探していた。αもそんな新聞部部員の一人だった。」
鬼族の葉の声が続く。
葉と同学年のサフィオ・ジュビリーは葉の話しを聞きながら掌に飛んできた蝶を微笑みながら見ていた。
式島悠斗(シキシマ ユウト)手元にあるお菓子をどれから食べようかと考え、やっぱりチョコからだなと頷いていた。
魔剣学園の男三人組は、学園旧校舎の玄関、大理石と無駄に金をかけている階段に段々となって座っていた。
旧校舎が高台に作られており、階段からも新校舎や運動場が見下ろせる。
「αは、当時大人気だった生徒会長のΓが愛人を囲ってハーレム状態との情報を掴み、学園内を駆け巡った。だが、それは愛人と名乗るビッチどもの売名行為だった。元生徒会書記からの信憑性が高そうな情報だったが、元生徒会書記も駆け出し新聞部部員のαも騙されて肩すかしを食らった。」
葉は手元にあったCoca-Colaのペットボトルの中身をグイッと飲み干し唇を潤して続ける。
ハズだったが……
「つまらないし、話し長くね?」
葉の話しを、悠斗が遮った。
飽きたのだろう。
「そうですね。前振りが面倒臭いと思います。」
怪談話をしているつもりの葉をサフィオが評価し、軽く欠伸をした。
「いきなり怪談話をしろと、無茶ぶりをしてもらいましたが、葉には無理だったようですね。」
「作り話感が半端なかった。」
悠斗の言葉に葉がガシガシと頭をかく。
「言ってくれるな、ならお前達も話せよ。」
「では、僕が話します。あれは、学園卒業生から聞いた話し……」
サフィオが青空を見上げる。
「いや、あれはシャレになりませんね」
「なんだよ。何の前フリだ?」
「本当に怖い話しですよ。厳密に言えば怪談か定かじゃありませんけどね。」
サフィオが言葉を切る。
葉と悠斗が言葉を待つ。
数秒の間が待てないのか、悠斗が手持ちのトッポをボリボリと囓り出す。
「そういう怖がらせの演出か?」
サフィオの眼帯で隠されていない瞳に、真剣な色が宿っていた。
「君達は『ビニール袋男』って話を知っていますか?」
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