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夜は黒い幕で学園を覆っていた。
まだまだ夏の暑気が残り、湿気と混ざって葉の肌に絡みつく。
実に不愉快だ。
夜の左手には愛用している両手剣を握っている。
暗い廊下に射し込む月光に、剣の刃が反射して光る。
横には刀の型の宝石を持ったサフィオがいた。
二人は学生寮の外に面した階段を下っていく。
「おい悠斗、来たぞ!無事か?」
ドアを叩いても反応がない。
「おい悠斗!」
叩くのをやめドアノブを回すと、あっさりと回った。
ノブを握ったまま葉が横を見ると、サフィオと目が合った。
目で合図して葉がドアを引いた。
「入るぞ悠斗。」
と剣を構えた葉が入っていく。
後ろからサフィオが続く。
部屋の入口に面した石板張りのキッチン。
悠斗かそれか相棒の小悪魔デビィが食事をした後なのか、洗い途中の皿が置かれていた。
生活あふれるキッチンの先、三分の一に開いたガラス戸があった。
開いた側に、奥の部屋の様子が見え………
「ウオォォォォォォォッ!」
「ウヒャ?¢¥∋??∪┓┗!」
キィィィィィン!
部屋の中で悠斗とビニール袋を被った男がガンブレードと手刀でせめぎ合っていた。
Side End
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