一億円じゃたりない

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オレは45階タワーマンションの屋上の天辺、一歩先は死亡確定のギリギリの崖っぷちに立っていた。 それが仕事なのだ。 窓ガラス清掃員、それは細いロープに命を預けて、窓をキレイにする、特殊な仕事だが、実は、別に大した資格も要らない、高い所が苦手な人はちょっと無理かも知れないが、最近では女の子も居る、意外に誰でも出来る、ちょっとキツメの軽作業なのであった。 今日もオレはこの高級タワーマンションの屋上に出るため、管理人から鍵を預かり、屋上に行く迄の通路の鍵を3ヵ所開けて屋上に到着する、 屋上では200メートル有る、ザイルロープを支柱に結び、ロープにセットしたブランコに座って、目的の窓まで降下する、ブランコは降りるだけ、登ることは出来ない、上下動出来るのはゴンドラで有る、 流石に45階屋上ともなると絶景だが、作業しながらロープで地上到着するまで掛かる時間は、まる一時間、腰が痛くて敵わない、 まぁでも、それを四本もやったら今日のノルマ終了、帰って良し、職人気取りで仕事は楽、もっとも給料もそんなに貰えない、年収で300万円そこそこだ、 まぁ本当に大した仕事じゃ無い、将来性もあまり無い、独立って手も有るけど、オレ責任感無いし、各種保険に諸経費とかで旨味も少ない、考えるのも面倒だから、老後の事は老後に考える! なんて、言い訳に宝くじなんて、たまに買っているのだが、まさか本当に当たるとは思ってもなかった。 二等だが、一億円当たったのだ! どうしよう、 何に使おう、
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