第1章

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アルマに乗ってほぼ1年くらいが経った。 私は1年前 記憶がない状態で目覚めた。しかも、数時間も経たない内に 知らない人間たちが押し寄せてきて、急に 「今日からお前をアルマの乗り手とさせてもらう」 と言われ、何が何だか分からないままに戦争の道具にされてしまった。 もう慣れてしまったが、今でもたまに怒りがこみあげてくる時がある。       記憶がない原因は気になるが、別に戻らなくても大した問題ではない。 今重要なのは、自分が安寧の地を得る為に戦わなくてはならないということ。 「神の子」も「誰かのため」もどうでもいい。 大切な人間はいないし、人のために戦うという理念はそもそも理解できない。 私と同じく無理やりアルマの乗り手にされてしまった「カレ」のことを見て、 そう思った。
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