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ソファに座り、部屋を見回した。観葉植物があったり、キッチンにはおしゃれな調味料が並んでいたり、ドラマに出てきてもおかしくないような綺麗でお洒落な部屋だ。
生活感が全くないのは少し不思議だが、自宅兼事務所として使っているのであれば妥当なのだろうか。それともここは単なる事務所で自宅は別にあるのだろうか。
そんなことを考えていると、先ほど男性が入った部屋から声が聞こえた。
「早くしないと、お客さん待たせてるから!」
その声から1分くらい経った後に部屋の扉は開き、中から写真で見た女性が出て来た。
男物の長着と羽織を身につけ、黒い髪は頭の上で団子にまとめられていて、その少し細く狐を思わせるような瞳からは、凛とした雰囲気が発せられていた。
なぜ和服、しかも男物の。その疑問は一旦飲み込んで俺はソファから立ち上がり軽く頭を下げて挨拶をした。
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