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汗ばむぐらいに踊って、
佑香が、のどが渇いたと、
彼を、バーのほうへ、誘う。
「ふぅ、楽しかったね、
飲みもの取りに行こか」
彼はなんだか落ち着かない様子……
チークタイムで、さらにトーンを
おとした照明と、
混雑の中、
彼を見失わないよう、
佑香がその腕をひいて、バーへ誘導した。
そこここで
戯れる人々をかき分けながら進む。
離れ離れにならないよう、
佑香は、すぐに、彼の手を握りなおして、
目的地を目指した。
列をなすバーで順番を待つ、
ふたりの距離は
---ゼロ---
体は微妙に離れたり、くっついたり。
暗がりで、表情はよく読めないけれど、
彼の熱が伝わってくる。
ようやく
注文したドリンクを受けとって、
スタンディングのハイテーブルを
確保する。
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