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佑香の係には12名の営業社員がいる。
中堅の彼は、新人をサポートするため、
係長の席から一番離れた反対側。
だからその姿を常時目にする
位置にいないことがせめてもの救い。
懇親会でもない限り、簡単に
接触の機会がもてるわけではないことが、
うまく、バッファーになっていた。
少なくとも、佑香はそう思っていた。
冷却期間があれば、彼も忘れてくれるだろう。
そう思っていた。
特に冷たくあしらうわけではなく、
業務上必要な時にも、プロフェッショナルな
態度で毅然と接することで、
佑香は
あれは間違いで、もう、
二度とそんなことは起こりませんよ、
というサインを発し、隙をみせなかった。
不器用なほど頑なに...
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