第1章

21/35

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「伊藤君、 からかうのもいい加減にしてください。 もう、プライべートな電話はしないでください」 そう言い放って、相手の反応を待つまでもなく、 通話を終了した。 ーー翌日、彼は、体調不良で1日休みを取ったーー この1週間、 佑香はクラブでの晩に起こったことを 頭の中で再現しようと何度か試みたが、 肝心のことは何も思い出せないでいた。 だから言ったじゃない…….. 冷たい態度で彼を傷つけたかも しれないこと、 あれほど、自制していたつもりだったのに、 軽はずみな行動をとったこと、 佑香は極度な自己嫌悪に陥っていた….. それと同時に、 惹かれてはいけない人を 好きになってしまった自分を今、 はっきりと、 意識していた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加