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ーーこの件についてはーー
うろたえる佑香を
さえぎって、
言葉をつないだのは、彼のほうだった。
「この件については、
言い訳するわけではありませんが...
今日、この場に呼び出したのは、
本当は、
係長も気づいているのでしょう?
なんで、僕があんな単純なミスを
犯してしまったのか?....
仕事が手につかないのか?....」
ーーーーーーーーーーーーーーー
窓辺には夕暮れが迫っている。
オフィスも残業以外の
社員はもう、帰宅してしまっている。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「本当は、僕の気持ちを確かめるために
呼んだんでしょう?」
ーードキッーー
「わかっていながら、
なんで、こんなことを....
係長もあの晩、僕の気持ちにこたえ
てくれたじゃないですか?
それともただの思わせぶりですか?…….
なんで、ちゃんと向き合ってくれないんですか?」
怖れていた言葉が、次第に熱を浴びつつ、
矢継ぎ早に飛んできた....
---だって、それは公私混同だし....---
ことばにならない.....
「なんで僕がこう言うのか...
わかりますか?
なんで僕が係長に惹かれているか....
知ってました?
係長は、
ちゃんと僕を指導してくれるし、
普通だったら、面倒くさがって
スルーしそうなところも、
時間さいて、やってくれました。
僕、覚えこむまでに時間かかることも
ありましたよね?
2,3回じゃ済まないことも。
それなのに、
一生懸命教えてくれるし...
いちいち面倒くさそうな顔しても、
いつも僕たちのサポートを
してくれていたし。
顧客のクレームからも
いつも矢面に立って、
僕たちを信頼して、
対処してくれて。
そんな係長に
ずっと...
惹かれてました....
最初から...
それに、
仕事だけじゃないし...
係長だって、
本当は僕のこと、
気になってたんじゃないですか?」
---いや、たしかに、
そんなイケメンの君に
慕われたら、いやなわけないし...
でも、仕事は仕事だからちゃんと
教えなきゃいけないし.....---
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