第1章

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「うん。  だってね、やっぱり上司と部下だし」 「.............」 「職場の倫理感としてはね.... 不適切じゃない....」 「.............」 「だから辞めた....」 「それって本気?.............」 呆気にとられて聞いていた 小織がやっと反応した。 「いまどき、そんなんで辞める人がいる?」 「だって、ね。 まわりにも示しつかないし...」 またも黙り込むふたり.... 「でも、らしいよね...」 真由美が隣に座る小織と相槌を 打ちながら、しんみりと続けた。 「ほんと、潔癖症、佑香は。 派手にみえて、 意外とまじめなんだから... 昔から変わらない....」 小織が同調した。 「それで、これからどうするの?」 真由美が聞いた。 「求職活動うまくいくかな?」 いたずらっぽい目をして 佑香が答える。 3人はそれぞれの顔を見回し、 微笑みながら、 静かに乾杯した。
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