第1章 #2

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-------こんなにいい香りだっけ?------ バラのフローラル系の香りが 浮き立っている。 シャネル No.5 ふんわりと広がるその空気が 疲れた神経を やさしく包み込む。 オレンジの明りが、 空気を暖めて、 その贅沢で、 ふくよかな香りを部屋中に 広めてくれる。 でも、 何よりも、 際立つのが、 この香り、 -----イランイラン----- 催淫性のある、 このまったりとして、 濃密な香り...... こんな夜には、 彼を思わずにはいられない........ 彼に抱かれたあの晩、 給湯室での出来事..... 甘い香りに重なる、、 甘い思い出。 今では切ない想い..... No.5が、 今晩ほど、  品よく、 まとまった香りだと、 感じたことはなかった............
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