2人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
「寂しい」
出会った頃の彼女の口癖。
あるサイトの自分のページに足跡があり、自分はその足跡を追った。
やっぱり「寂しい」という台詞が書かれてあり、サイトの名前を変えても何を書いても、自分は彼女を確実に見つける。
彼女は確実に自分を求める。
言葉も行動も何もかもが違っても、ずっと訴え続けた「想いは同じだよ」
という自分の台詞が甦る。
彼女に自由を与えて笑ってほしいと、突き放した。
「想いは同じ」
放れたくないのに、お互いが自由を相手に与えたくて笑ってほしいと願い放れた。
左右を履き違えた靴は、すごく歩きにくくて足に豆をつくり、痛くて仕方ない。
履き違えた靴なら、左右をもどそう。
履き違えた想いで心が痛いなら、想いをもどそう。
「想いは同じだよ」と愛し続けよう。
お互いが求めるままに心を繋いで生きていきたいと、心底願い彼女を求め続けた心は泣いていた。
嬉しくて仕方なく喜びの涙は溢れた。
過去を洗い流して、何もかもを無くした二人はやっとマイナスから、0になりスタート地点に立つことができた。
やっと二人、本当に歩むことができる。
有り難う。探して求め続けてくれて。
自分は嘘つきにならなくて済んだ。
「捨てられた犬猫なら、連れて帰り面倒みる。どんなに汚くても、綺麗にする。たとえ道端の石ころでも必ず見つける。」
その言葉を嘘にするところだった。
優しい時間だけが流れていく。
最初のコメントを投稿しよう!