第1章

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僕はいつもの場所へと向かった。 いつもの場所で昼ごはんを食べる。 お昼ごはんはいつも母親がお弁当を作ってくれる。 お弁当を食べ終えていつものごとく読書の特等席へと移動した。 でも、その場所はいつもとは違った。 そこには絵で描いたような妖精、いや女神とも取れるほどの少女(同年代だから少女扱いもどうかとは思う)が眠っていた。 「むにゅ……ぐぅ…」 と、謎の寝言を発しながら眠り続ける女神に僕はしばらく見とれていた。 そして、少しずれた場所で読書を始めた。 しかし、寝不足もあってか途中でまた眠っていた。 予鈴が鳴った。 慌てて目を覚ます。 膝に重みを感じて寝ぼけた意識を最大限に呼び覚まし足下をみる。 さっき横手で眠っていた女神が僕の膝で眠っていた。 予鈴がなったにも関わらず眠り続ける少女は正しく女神そのものだった。 かと言ってこのまま放置するわけにもいかないので起こすことにした。 「予鈴なりましたよ。起きてください」 少し呼びかけた程度では起きない。 仕方がなく少し頬を叩いてみる。 すると「ごきゅん…!」と変な音を立てて起きた少女。 状況を把握するのに数秒かかったがようやく状況を飲み込めたようで慌てて僕から距離をとる。 「あ、あの……、変なことしてませんか!?」 いきなり変態扱いされたことに対して少し苛立ちを覚えたが仕方が無いと事情を説明する。 向こうも分かってくれたようで悲鳴を上げることなく納得してくれた。 「そういえば名乗ってませんでしたね。私は2年7組の霧宮百合と言います。膝の上で眠ってしまってすみません」 霧宮百合と名乗った少女は深くおじぎをする。 「いえ、いいですよ先輩。僕は1年4組の師走 菊斗と言います。横で寝てしまった自分も悪いですし」 僕も名乗り返す。 「後輩でしたか。あ、敬語は気にしないで下さいね。私いつもこうなので」 「いえ、見た目にぴったりな名前と話し方だと思いますよ」 本当に見た目通りな声や仕草に本気で見とれてしまっていた。 「じゃあ、そろそろ教室に戻りましょうか」 「はい」 と、返事をした時にチャイムがなってしまった。 「あら、ごめんなさい。遅刻になってしまいましたね。次の授業大丈夫ですか?」 「いえ、大丈夫ですよ。僕はいてもいなくても問題ない存在なので」
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