第1章

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第1章

大学から帰宅して直ぐ、私はベランダのガラス戸を開ける。 今日も、良い匂いだ。 トマトソースだね...いや、トマトの甘い匂いと一緒に、魚介類系の潮の香り(?)もする。 ペスカトーレかなぁ。 隣の部屋から毎日漂ってくる夕食の香りは、私の、ここ最近の最大の楽しみの1つだ。 ...あれ?私、それはちょっと淋し過ぎだね。 若干落ち込むわ。 まぁそれはともかく。 昨日は肉じゃがっぽかった。 優しい甘い醤油の香りに、実家を思い出したりした。 その前はお焦げの香ばしい匂い。韓国っぽい感じ?詳しくないけど。 お隣さんは、毎日どうにも美味しそうな匂いを提供してくれる。 一人暮らしなのに、よくもまぁこんなに毎日ちゃんとご飯を作れるもんだわ。 って、そいや一人暮らしじゃなかったね。彼氏とほぼ同棲状態だもんね。 羨ましーっっ!!
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