7人が本棚に入れています
本棚に追加
「...始めます。着席してください」
ドアが開く音と同時に、講師の声が響いた。
あれ?もうチャイム鳴ったっけ?的な呟きと共に皆が座りだし、例の数人も舌打ちしつつ着座。
座っていた私たちは、前へと体を向き直す。
「見たことのない先生だね?」
「若いねー」
「狙ってみる?」
うちが女子大だからなのか、こういう手合いの内緒話は内緒になっていない。
ボリュームは大きくなくても、クラス全体でそれぞれ話すので『内緒話』の存在感が増してしまうのだ。
「今年から、客員講師として教壇に立たせていただいている黒部です。
前期は看護学部のみでしたが、後期はこちらでも講義させていただきます。
よろしくお願いします」
最初のコメントを投稿しよう!