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「数字言われると、現場の人間は怖気づくとでも思ってる?」
「やる時はやる。でしょ?」
心の底で渦巻く感情を訴えるように、彼を睨みつけた。
どんなに策を練ったとしても、彼の心根が変わらない限り、この場所から離れることはない。
そもそも彼の気持ちを変えるほどの説得材料は私は持ち合わせていない。
” 今は ” 彼の好き勝手にさせる他ない。
私の意図に気づいているのか、わからないが、
じっくりと言葉の余波を味わうように顎を何度か擦った。
その後、
「お察しの通りですよ」
と、一つ呟いた。
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