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足立の勘違い。
身体を重ねたいがために言った台詞じゃないのに、でもそんな勘違いで受け取るキスを拒めずにいる。
なのに。
——なんで、こんなに彼のキスは気持ちがいいのだろう?
ヘッドライトの白色の光が車内を照らす。
地面を揺らして、工場のトラックが私たちのすくそばを通り過ぎた。
気づかれてしまったかもしれない。見られたかもしれない。
そんな心配もよそにして彼は私にキスを落としていて、私もそのキスを拒めずにいる。
足立の腕を力の限り掴んだ。
朦朧とした頭の片隅に残っていた理性を引きずり出して、無理やり、唇を離す。
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