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3月: cherry blossom #2
突然、世界の音が止まった気がした。
羞恥心もなにもかも消え去って、ただ、ひたすら味わいたくなった。
先ほどの桜の木のスモークチップの香りがするワイン以上に、深くて癖になりそうなキスを貪りたい。
「...あ、...はぁ」
膝が震えだすほど、身体中が熱を帯びた後、ようやく解放された。
与えられた快感に酔う私を眺め、彼は口角をいやらしく引き上げる。
「良い顔してるよ、加藤?」
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