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週末の仕事終わりに、工藤さんが予約をした恵比寿のフレンチへとやってきた。
オープンキッチン式の狭い店内には、横に細長続くカウンターだけのレストランだった。
一見すると和な香りのする店内だが、鼻先をくすぐるのは、アーモンドオイルに、グリルされた肉、フレッシュな果実の香り、といった食指をそそる匂いで充満している。
絞った照明に、明るい木目を基調にした一枚板のカウンターテーブルには、真っ白な皿が、これから描かれるのを待つキャンバスのようにどんと腰を下ろしている。
我々の前で、薄くスライスされるズッキーニやアスパラガスといった野菜たちがカールして、同じ形に仕上がっていく様子を眺めた。
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