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4月:★4★ 神楽坂能楽堂 #2
「はい、誰にも言いません」
そう笑っていった私を城崎さんは疑うように目を細めた。
が、囃子方からお調べが奏でられたので、視線を舞台へと向ける。
皆が沈黙し、空気が凛と引き締まる。
彼は瞳をキラキラと輝かせている。
なんだか舞台より、彼を観ているだけでも十分楽しめそうだ。
そんなことを考えながら、水面を滑るようにやってきたハコビに視線を移し、城崎がファンである梅若が出てくるのを共に待った。
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