6月:★1★ 欲にまみれる夜 #2

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汗で、頬に張り付いた私の髪を梳くように両手でかき上げて、足立は「繭香」と漏らした。 その声は甘く響いて、愛の言葉よりもずっと嬉しくて、そして切なくて、苦しかった。 彼が眠る瞼にキスを落とす。 私たちは、愛や恋で、繋がっていない。 これからも、この先も、ずっと繋がらないままだ。
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